2021/07/28 11:14


6枚の封筒、透明なグラスとペン、そして2つのサイコロ。


ミニマルなものだけで演じる、クリーンで強烈なルーティン。


イノセントな中に少しの違和感を残しつつ進んでいくゲームシナリオの最後に用意された衝撃の結末と伏線回収。


今回の『トゥ・ダイ・フォー』のインスピレーションは「スリラー/ホラー映画のどんでん返し」です。


・封がされた6枚の封筒

・透明なグラス

・1本のペン

・2つのサイコロ



【現象】


封がされた6つの封筒と2つのサイコロを使って観客と演者の2人でロシアンルーレットを行う。


6枚の封筒のうち「セーフ」と書かれた紙が5枚と「アウト」が1枚。


交互にサイコロを振って選んだ数字の封筒をペンのクリップに挟んで両側から叩き潰していく。


5枚目の封筒まですべて「セーフ」で、残った最後の封筒を開けると鋭いカッターの刃が入っている。



【ゲームのコンセプト】


コンセプトは交互に行うロシアンルーレット。


6枚の封筒のうち、「セーフ」が5枚、「アウト」が1枚入っており、封がしてあるので開けてみなければわからない。


先にアウトを出した方が負け。


最後の1枚まで「アウト」が出なかった場合は引き分けとなる。



【ゲームのルール】


転がり出ないようにグラスに入れた2つのサイコロを観客と演者で交互に振って、選ぶ封筒番号を決めていく。


グラスにはサイコロが2つ入っているため、出した2つの出目のうち、ゾロ目以外の場合は好きな方の番号を選択できるという「不確定要素+自由選択」。


2つのサイコロやグラスは事前にじっくりと調べさせられて、6枚の封筒に書き込む番号は観客が自由に指定したもの。


「先攻/後攻」は観客が決める。


選んだ封筒はペンのクリップに挟んで両側から叩き潰した後、開封して中身を確認する。



【ポイント】


・2つのサイコロはゲームの前後でじっくりと調べさせることが可能


・6枚の封筒に書き込む1〜6までの数字は観客が自由に決める


・先攻/後攻も観客が指定する



一見、気軽にプレイできる封筒を使ったロシアンルーレットですが、最後に出てくるカッターの刃を見たときに、「なぜ封筒を叩き潰すのか?」という疑問の答えが明らかになり、「もしも負けていたら・・・」とそれまでの行動を振り返って背筋が寒くなるというストーリー構成のメンタルマジックになっています。



単純な「勝ち負け」がかかったゲームだと思って気楽にプレイしていたら、最後に「デスゲーム」だったと判明する『トゥ・ダイ・フォー』。


毎回クライマックスで大きなリアクションをいただけると同時に、「あのとき選択を間違えていたら」「封筒に違う番号を書いていたら」「先攻後攻が逆転だったら」などさまざまな「振り返り思考」で長く余韻を残すこともできる「短距離長距離併用型」の強力なルーティンになっています。



もちろん、今回も「安全面」にはこれ以上ないほどこだわり抜いており、2つの原理を使って演者は常に「アウト」の位置を完璧に把握しておくことが可能です。(泥酔状態などではなく)普通に演じれば間違ってもカッターの刃を叩き潰すようなことは起こりません。



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