2021/07/02 20:25
スペンサートリックスです。
私は「スパイクルーティン」というコンセプトが好きで、『パステルキラー!』『ハンプティジュニア』『スライトシグナル』など複数の作品をリリースしてきました。
中でもかなりストレートな「スパイクルーティン」は何といっても『パステルキラー!』でしょう。
マジシャンが後ろを向いている間、ワインコルクに立てられた真鍮製のスパイク(真鍮製の管を斜めに切って鋭く尖らせたもの)をテーブルに伏せられた5つのシリコンカップのどれかに隠してもらい、振り返ったマジシャンが「スパイクが入っていない」と思われるカップを叩き潰していく。
最後に残ったカップの下から、鋭いスパイクが現れ、さらには最初に渡してあった紙を見ると観客が隠したカップの番号が予言されている。
《ライブパフォーマンス動画》
このようなスリリングな現象を「安全確実に」「失敗なく」演じるための方法として、過去には大きく分けて2つの方向性がありました。
①スパイクを隠すカップなどにマジシャンだけが判別できる印(マーキング)をつけておいて、それを頼りにスパイク入りカップを見つける方法(スチロールカップを使うことが多いです)。
②そもそもどれを叩き潰しても怪我をしないようにスパイクと台座に仕掛けのあるもの(販売ページには《120%安全確実》と謳っています。観客に手渡し確認はできず、紙袋を使うことが多いです)。
上記①の場合は、観客がマジシャンの指示通りに動いてくれたら問題ないのですが、もし万が一、マジシャンが後ろを向いている間にスパイクを隠すカップを入れ替えられたりすると大変なことになります。
以下は海外での失敗動画です。自分の手のひらに思い切り刺さります。怪我そのものもそうですが、その後のスタジオの空気感が地獄です。
《海外のTV生放送での失敗》
上記②の場合は、スタート時にきちんとセットされている(スパイクが解除されている)場合は問題ないのですが、何かの手違いでうっかり解除を忘れたり、何かの拍子にスパイクが立った状態になってしまった場合は非常に危険です(数年前にマジック界を震撼させたポーランドのテレビ生放送での有名な事故はこちらのタイプです)。
動画リンクを以下に貼っておきますが、マジシャンにとってはさらに地獄の光景です。自分ではなく司会者の女性の手にスパイクが突き刺さります。想像しただけでゾッとしますね。この動画を見て「スパイクルーティンは危ないからやめよう」と敬遠することになったマジシャンも数多くいたでしょう。
《世界的に有名なポーランドTV生放送での失敗》
①②の場合に共通して言えることは、一度演技が始まってしまったら、手順の中で「安全確実」を確認することはほぼ不可能だということです。
正直言って、危険すぎます。
マジシャンにとって最も大切な「手」の命を預けるには、あまりにもお粗末な仕掛けです。
そんな既存の「スパイクルーティン」に対するアンチテーゼとして生まれたのが『パステルキラー!』です。
基本的に①②のどちらのパターンでもなく、すべてのアイテムを演技の前に観客に渡して調べてもらうことが可能です。
さらに演技が始まってからも、スパイクの位置を何度も確認することができますので、毎回100%の確信を持って手を振り下ろすことができます(私は毎回10回は確認しながら演じていますが、それによって観客から不自然に見えたりは一切しません)。
ここが、今まで何百回と演じてきても、毎回不安なく事故ゼロで演じられている理由です。
もし唯一危険があるとしたら、「マジシャン本人の感覚や記憶が不明確な状態」で演じる場合ですね。そう、「お酒」です(まさか「白い粉」や「笑気ガス」を吸って演じる方はいないと思いますので笑)。
そこに関しても、詳細な解説動画の中できちんと言及していますので、守っていただければまず失敗はありません。
スパイクルーティンに「安全性の継続確認」という仕組みを組み込んだ、自分としてはベストな回答が『パステルキラー!』です。
お値段は決してお安くはないですが、「買ったマジックの9割以上がタンスの肥やしになる」という世界で「ほぼ確実にレパートリー入りする実用マジック」として考えるとかなりお得なのではないかと思います。
最近では素材の仕入れが難しくなってきて、現在手元には「イエロー」と「ショッキングピンク」が各8セット、「蛍光グリーン」が4セットのみとなっています。
インパクト抜群なのに安全確実な実用的スパイクルーティンをお求めの方は、ぜひ確実に手に入れてください!
【各色残りわずか!『パステルキラー!』数量限定セール!】
《イエロー》
https://nearlywizard.theshop.jp/items/27118522
《グリーン》
https://nearlywizard.theshop.jp/items/27451940
《ピンク》